ファイナルファンタジー8


このゲームに関しては『名作』という絶賛する人もいれば『駄作』とけなす人もいる。両極端なゲームだ。ちなみにここの管理人は後者の方である。このコーナーの中では一番高額のクソゲーである。なにせコンビニで購入したのだから、割引など一切無し定価+消費税。オマケと言えばせいぜい予約特典の携帯のストラップぐらいなものか。

出来の悪い猿芝居のような学園恋愛ドラマを見せつけられている。グラフィックは確かに綺麗だけどそればかりにこだわっているような気がする。戦闘時の召還魔法に使われるムービーも待たされる事が多くイライラしてくる。戦闘をじっくりと楽しめる人ならばそれも良いかもしれないが、私はあいにくせっかちで短気な性格なのでそれが苦痛に感じてくる。オマケに敵から吸い出すという新しい魔法の覚え方が面倒に感じる。新システムとして考えれば斬新で良いかもしれないがどうも私にはなじめない。これならばまだ7のマテリアによる方法の方が良い。

移動画面も見づらいし自分の位置が把握しづらく遊びづらい。視点の変え方で何とかなるがそれでも褒められたものではない。ゲームの節目で流されるムービーもある意味苦痛である。これではデスクリムゾンの鉄仮面が出てくるエコールロゴと何一つ変わらない。確かにムービーはとても綺麗だけど『良薬も過ぎれば毒となる』のたとえどうり、ムービーが流される度に『またかよ…』と溜息か出てくる。しまいには『いい加減にしろ』と怒鳴りつけたくもなってきた。

ストーリー・シナリオ・設定も疑問詞のつくようなものだし一体何がどうなってこうなったのがとかが把握しずらい。適当に付け足して行き当たりばったりで考えたものではないかと思ってしまう。矛盾点も多い。ゲームを進めていくと恋愛ストーリーが筋なのか魔女を倒すのが筋なのかハッキリしてこなくなる。FFはいつからギャルゲーに転向したんだ? と考え込んでしまった。

ゲームというよりは何か映画に近いような感じがする。これは技術の向上と素直に受け止められるが、『映像』ばかりが完全に先行してしまっていて、『ゲーム』が追いつけなかった。次作ではそのバランスがどう取られているかが楽しみだし、批評する上での一つのポイントだと思っている。これでダメだったら『映像』だけの平凡なゲームだろう。

このシリーズではお馴染みかもしれないが、エンディングが長いのもかなり気に掛かる。短すぎるのも問題だが、映画のスタッフスクロールを2回連続で見せられる様なものでこれもキツイものがある。せいぜい2〜4分程度で充分ではないかと思う。

そして絶対に許せないのが初期のプレイステーションでは誤動作を起こす事とバグが発見されたのにもかかわらず、そのまま販売し続けたという2点である。MODチップ対策の新プロテクトが初期のプレイステーションだと何故かプロテクトがかかってしまう。はっきり言って迷惑である。当然メーカー(スクウェア)は知らん顔。あたかも『遊びたかったら新しいプレステ買ってくれ』といわんがばかりのやり方である。ソニーと結託して商売上手いよなと皮肉の一つも言いたくなる。余談ではあるが、結局私は新しくプレステを買ってしまった。FF8が遊びたかったのも理由の一つではあるが、初期型がもう寿命を迎えつつあったのだ。保証期限も切れていたし修理に出す手間を考えれば新品買った方がはるかに安い。けれど出費は痛かった。そして掴まされたのがこんな出来のゲームだから怒りは簡単に収まらない。

コピープロテクトについては多少同情の余地はあるが、バクに対しての対応は悪すぎる。バクについては新聞等で色々報道されたのは皆さんもご存じでしょう。その後何らかの手だてをスクウェアがしたという話は耳にしていません。2次・3次出荷分で改善されたという話を耳にされましたか? 2次・3次出荷分は改訂版であるのは当然なはずです。そして『リコール』という形で出荷してしまった1次出荷分とユーザーの所有しているバク版を改訂版と交換するという事を行わないのはユーザーをなめきっているしか言いようがない。

7にも言える事ではあるが、『ファイナルファンタジー』の『ファンタジー』という言葉の意味はこのゲームではかなり薄れてしまっている。近未来的な機械類が多々出てきて、何か道を外していると思う。まぁ『幻想、空想』という言葉の意味では合ってはいるが、RPGの多くを占める『中世的な世界観』『剣と魔法』というファンタジーではなくなっている。これも新しい試みの一つかもしれないがなじめない。なじめない私の方が悪いのか?